熊野座神社の秋の例祭が毎年十月九日に行われ、立神地区の人たちにより神楽が奉納される。祭りを執行するための組は、輪番制で宮座が主催する。
まず、八日のゴヤ務めから始まる。午後七時に、受前の宮座の家に組が集まり、神職と神楽方が「出立」の儀をおこなう。神楽の舞い手は、八~九歳の男の子一名を選び「神子」(かみのこ)とする。神子は、赤色の狩衣を着て、楽人による笛・太鼓を銅鑼(どら)の奏楽に合わせ、右手に鈴、左手に扇子を持ち、右手で左手首を打ちつつ「左に三廻り巡り神に一礼」次に「右に三回廻って神に一礼」する。これを一座とする。その場で、神楽一座舞い終わって、神社までの道を、太鼓を打ち鳴らしながら、宮座・組の者一同お供をして宮に参る。これを「道行き」という。
前夜祭として奉納するものを半神楽とし六座奉納する。本祭りは、九日の午前十一時に祭礼の儀式を終わり、幣殿(へいでん)で神楽を十二座行う。これを本神楽という。この神楽が奏せらる間に、オヒネリ(初穂米)を持って神前に供えられたお供飯を立神の各戸毎に仕入れが配る。無病息災のいわれだが、一番上のお供飯をいただいた家には男の子が授けられると言い伝えられている。祭りが終われば、宮座の組中の者が集まり直会(なおらい)が行われ宮座の引き継ぎが決まる。
半神楽、本神楽がいつ頃から始まったか不明である。下益城の海東から白石某という社家が神楽方を伴い奉仕していたこともあると言い伝えがある。

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